【受験勉強】

【行政書士試験】本試験の記述式 アガルートの採点結果と実際の得点の差は?

こんにちは!行政書士の南部成美です。

ご訪問いただき、ありがとうございます。

 

行政書士試験には、記述式問題が3問出題され、

配点も60点(20点×3問)とかなり大きいです。

 

行政書士試験研究センターからは、

合格者発表の際に模範解答も発表されますが、

記述式問題の採点基準については非公表になっています。

 

また、受験者に届く合否結果の通知には、

記述式3問の合計得点のみが記載されるため、

どの問題で何点取れたのかはわからないようになっています。

 

受験生としては、自分の書いた答案でどの程度得点できたのか、

できるだけ早く知りたいですよね。

 

私も、受験後に気になって、各予備校の出した模範解答を調べました。

そのときに、アガルートアカデミーでは、

記述式の無料添削サービスというものがあることを知り、申し込んでみました。

本試験で書いた自分の答えを送ると、

無料で添削して返送していただけるという、なんともありがたいサービスです。

 

私は、アガルートアカデミーの教材を使用したことはありませんでしたが、

申し込みは誰でもでき、林先生という方が添削して返してくださるとのことでした。

(林先生、ありがとうございます!!)

 

私は本試験日の翌日(11月9日)に申し込み、

添削された答案が返ってきたのは12月7日でした。

 

この記事では、私が本試験で実際に書いた答案を例に(恥ずかしいですが(笑))、

アガルートアカデミーから返ってきた添削の結果と、

実際の合格通知の得点を比較してみたいと思います。

令和2年度は記述式の解答について議論が巻き起こった年

 

先に前提として、令和2年度は、記述式問題3問全てについて、

各予備校ごと あるいは 予備校内での講師の先生によっても、

解答がわかれ議論になった珍しい年度だったようです。

 

私も、最終的な解答がどうなるのか気になって、

受験後しばらくは毎日のように各予備校の公式解答や

講師の先生方のブログで見解を読み漁っていました💦

 

そのため、前提として、今年度は、予備校の添削サービスの結果と実際の結果が違っていても仕方がない年だったのではないかと思います。

(そんななか、丁寧に添削、採点してくださったアガルートさん、ありがとうございます!)

アガルートの記述式添削の結果は?

問題44 被告・対象・訴訟類型について(行政法)

問題44

A県内の一定区域において、土地区画整理事業(これを「本件事業」という。)が計画された。それを施行するため、土地区画整理法に基づくA県知事の認可(これを「本件認可処分」という。)を受けて、土地区画整理組合(これを「本件組合」という。)が設立され、あわせて本件事業にかかる事業計画も確定された。これを受けて本件事業が施行され、工事の完了などを経て、最終的に、本件組合は、換地処分(これを「本件換地処分」という。)を行った。

Xは、本件事業の区域内の宅地につき所有権を有し、本件組合の組合員であるところ、本件換地処分は換地の配分につき違法なものであるとして、その取消しの訴えを提起しようと考えたが、同訴訟の出訴期間がすでに経過していることが判明した。

この時点において、本件換地処分の効力を争い、換地のやり直しを求めるため、Xは、誰を被告として、どのような行為を対象とする、どのような訴訟(行政事件訴訟法に定められている抗告訴訟に限る。)を提起すべきか。40字程度で記述しなさい。

<正解例>

「Xは、本件組合を被告として、本件換地処分を対象とする、無効等確認訴訟を提起すべき。」(41文字)

行政書士試験研究センターのHPより抜粋)

私は、はじめ、

『「本件組合」を被告として「本件換地処分」を被告とする無効等確認訴訟を提供すべき』と、

この解答通りに書いていましたが、最後の最後まで迷ったあげく、

『「A県知事」を被告として「本件許可処分』を…』

に書き直してしまいました(泣)

もう焦りすぎて、パニックで、どちらでもいけるのでは??と思ったり(そんなわけない!笑)、

予定以上に記述式に時間をかけすぎて、完全に時間配分を大失敗しました。

 

 

受験後、最初に各予備校が出した解答例を見たときは、

『「A県知事」を被告として…』となっていたので、

「え!被告は知事で正解だったの?!」と喜んでしまったのですが、

数日後、『「本件組合」を被告として…』に差し替わっていました。

 

最初は、講師の先生方の間でも、解答が分かれ、議論になったそうですが、

最終的には、行政書士試験研究センターの正解例と同じ解答に落ち着いたようです。

 

こちらが、私の解答と、アガルートアカデミーの添削結果です。

配点目安の3つのポイントのうち、訴訟類型のみが合っているので、

部分点で8点となっています。

 

問題45 詐欺取消し(民法)

問題45

Aは、Bとの間で、A所有の甲土地をBに売却する旨の契約(以下、「本件契約」という。)を締結したが、Aが本件契約を締結するに至ったのは、平素からAに恨みをもっているCが、Aに対し、甲土地の地中には戦時中に軍隊によって爆弾が埋められており、いつ爆発するかわからないといった嘘の事実を述べたことによる。Aは、その爆弾が埋められている事実をBに伝えた上で、甲土地を時価の2分の1程度でBに売却した。売買から1年後に、Cに騙されたことを知ったAは、本件契約に係る意思表示を取り消すことができるか。民法の規定に照らし、40字程度で記述しなさい。なお、記述にあたっては、「本件契約に係るAの意思表示」を「契約」と表記すること。

<正解例>

「Aは、BがCの詐欺を知り、又は知ることができたときに限り、契約を取り消すことができる。」(43文字)

行政書士試験研究センターのHPより抜粋)

問題45についても、各予備校の先生方の見解を調べたところ、

『「錯誤」で解答しても正解なのでは?』という見解も多くありました。

 

こちらが、私の解答とアガルートアカデミーの添削結果です。

配点目安となるポイントは漏れなく入っているので、

20点満点になっています。

 

問題46 背信的悪意者からの転得者

問題46

以下の[設例]および[判例の解説]を読んで記述せよ。

[設例]
A所有の甲不動産をBが買い受けたが登記未了であったところ、その事実を知ったCが日頃Bに対して抱いていた怨恨(えんこん)の情を晴らすため、AをそそのかしてもっぱらBを害する目的で甲不動産を二重にCに売却させ、Cは、登記を了した後、これをDに転売して移転登記を完了した。Bは、Dに対して甲不動産の取得を主張することができるか。

[判例の解説]
上記[設例]におけるCはいわゆる背信的悪意者に該当するが、判例はかかる背信的悪意者からの転得者Dについて、無権利者からの譲受人ではなくD自身が背信的悪意者と評価されるのでない限り、甲不動産の取得をもってBに対抗しうるとしている。

上記の[設例]について、上記の[判例の解説]の説明は、どのような理由に基づくものか。「背信的悪意者は」に続けて、背信的悪意者の意義をふまえつつ、Dへの譲渡人Cが無権利者でない理由を、40字程度で記述しなさい。

<正解例>

「(背信的悪意者は、)登記の欠缺を主張することが信義則に反して許されないけれど、AC間の売買自体は有効だから。」(43文字)

行政書士試験研究センターのHPより抜粋)

 

これはもう…自分で見返すのも恥ずかしいぐらい、

前半は何を言ってるんだかわからない解答を書いてしまいました(笑)

とにかく焦ったことだけ覚えています。

こちらが、私の解答とアガルートアカデミーの添削結果です。

後半だけは合っていたようで、採点結果は10点でした。

アガルートの添削サービスでの合計得点は?

問題44:8点

問題45:20点

問題46:10点

計38点となりました。

アガルートの記述添削サービスのおすすめポイント

アガルートアカデミーの添削サービスは以下の点でおすすめです。

  1. 無料!(ありがたいです!)
  2. 採点基準がわかりやすく、丁寧なコメントまで入っている
  3. 採点結果がPDF(メール添付)で届くので、手元に残すことができる

③は意外と重要で…

というのも、私はLECの無料添削サービスも利用させていただいたのですが、

LECは、「マイページにログインして採点結果を閲覧する」という形式で、

合格発表の日よりも前に、閲覧期限が終了するシステムになっていました。

それに気が付かず、合格発表の後にLECの採点結果をもう一度閲覧しようとしたら見られず、

採点結果を覚えていないので実際の得点と比較することもできませんでした(泣)

私がスクショを撮っておけば良かったのですが…💦

 

なので、アガルートアカデミーについては、

メール添付で採点結果をいただけたのが個人的には嬉しいポイントでした。

実際の得点は?

肝心な実際の得点ですが、以下のように、3問合計で32点でした。

内訳、採点基準は非公表になっています。

アガルートの添削結果よりも6点低いですが、

私の推測では、おそらく、問題46の解答の後半について、

「所有権自体を取得している」よりも「売買契約は有効に成立している」

の方がより適切とみなされたのではないかと考えています。

また、問題44の「訴訟類型」についての部分点がもう少し低かったのかもしれません。

 

まとめ

行政書士試験の記述式問題は、

予備校の先生方の間でも見解がわかれるほど、

合格発表の日まで正確な解答がわからない年もあります。

 

また、採点基準や内訳が非公表であり、

年によって採点が甘かったり辛かったり、差があると言われています。

 

予備校の先生方の無料動画などでのお話によると、

おそらく、合格率を最終的に10%前後にできるように、

記述式の採点の基準を厳しくしたり甘くしたりすることで調整しているためではないか

という見解が多いようです。

 

私は、採点の厳しさが年によって変わるかもしれない記述式については、

部分点狙いで対策し、

記述式以外の問題だけで合格点(180点)を超えることを目標に受験勉強をしました。

結果、記述式以外の問題だけで186点でしたので、

合格発表までの時間を比較的穏やかな気持ちで過ごすことが出来ました。

(それでも、マークミスしていたらどうしよう…等の不安はありましたが💦)

 

そのため、個人的には、記述式以外だけで180点を超えることを目標にしてみることをおすすめします。

 

この記事が少しでも受験される方のお役に立てましたら幸いです。

 

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