【起業】ー個人事業主と法人

5. 赤字分の繰越控除は法人が有利!個人事業主と法人のお金の話

こんにちは!行政書士事務所の開業に向けて勉強中の南部成美です。
ご訪問いただきありがとうございます。

前回は、赤字になっても毎年納めなければならない「法人の均等割」についてのお話と、
「個人事業主と法人の課税される所得の違い」について書かせていただきました。

今回は、法人の方が有利とされている赤字分の「繰越控除」と「繰戻し還付」の制度について見てみたいと思います。

赤字分を翌年度以降に繰り越せる期間は法人の方が長い

個人事業であっても法人であっても、赤字が出るときもあれば黒字になるときもあります。

ですが、たとえば、何年も赤字が続いた後に、
ある年が大幅に黒字になったからといって、その年の課税額を多くされてしまっては、
それ以前の赤字分の補填に何年もかかってしまいますよね。

そこで、青色申告をしている事業者であれば、翌年度以降に赤字分を繰り越せる「青色欠損金の繰越控除」という制度があります。
これはつまり「赤字分を翌年度以降に持ち越して、黒字だった決算期に相殺してあげましょう」ということです。

繰越控除ができる期間は、個人事業の場合で3年間、法人であれば9年間です。

たとえば、極端な例ですが、以下の状況と仮定して、課税額を計算してみましょう。

【例】
〇今年度は、1,000万円の黒字決算。
〇前年度まで、10年連続で毎年100万円の赤字決算だった。

この状況で、欠損金の繰越しをして課税額を計算してみると、
以下のように、圧倒的に法人の課税額の方が小さくなります。

<個人事業主の場合>
1,000万円ー300万円(3年分の赤字)=700万円

<法人の場合>
1,000万円ー900万円(9年分の赤字)=100万円

このように、法人の方が繰越期間が長いため、
会社をつくったほうが、資本を投下してから利益として資金を回収するまでのサイクルを、より長期的な視野でみることができます。

欠損金の繰戻し還付が適用されるのは法人だけ

繰越控除のときとは逆に、前年の黒字を当年の赤字と相殺できる
「青色欠損金の繰戻しによる還付」の制度があります。

この制度は、法人にのみ適用され、個人事業主には適用されません。

赤字の繰越控除や繰戻し制度については、制度上、法人の方が有利ということになりますね。

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今日はとても寒い一日でしたね💦
気温の変化が大きい時期ですが、皆さまどうかご自愛ください🌸

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