【受験勉強】

【行政書士試験】解く順番と時間配分で失敗しないためには?

こんにちは!行政書士の南部成美です。

ご訪問いただきありがとうございます。

 

行政書士試験の解く順番や時間配分については、

人によりさまざまな考え方がありますよね。

これから受験される皆さんは、どのようにして決めますか?

 

私は、自分に合った方法を考えて臨んだつもりだったのですが、

本番(令和2年度)で時間配分を大失敗してしまいました。

試験時間内に解き終わるか解き終わらないかというギリギリの状況になってしまい、

最後の20分間ぐらいはもう、心臓が飛び出そうなほど鼓動が激しく速くなり、

冷汗をかきながらなんとか解き終えました。

 

結果的に、合格していたからよかったものの、

本番で時間配分をミスすると、

気持ちがどんどん焦って、取れるはずの問題も落としてしまうため、

合格するためには、時間配分がいかに重要かを身をもって知りました。

 

今回は、私の経験を踏まえて、行政書士試験で失敗しない「解く順番」と「時間配分」についてお伝えできればと思います。

この記事は、こんな方におすすめです。

行政書士試験の受験を考えていて、

  • 「解く順番」の決め方に悩んでいる方
  • 本番の「時間配分」で失敗したくない方

これだけはおさえたい!解く順番のポイント3つ

行政書士試験の解く順番に関しては、諸説ありますし、

得意不得意科目などによっても、その人に合う方法は変わってくると思いますが、

それでもこの3つだけは、おさえておきたいポイントです。

1.記述式を後回しにしない

行政書士試験の記述式問題は、少し長めの問題文から、「何を問われているのか?」を理解し、「入れるべきキーワード」を正確に判断し、40字程度という短い文章にまとめ上げなければならないため、考える時間をしっかり確保する必要があります。

また、行政書士試験は3時間という長時間に及ぶ試験なので、

できるだけ疲労度が小さい前半のうちに、記述式問題を終わらせてしまうのがおすすめです。

 

少なくとも、「最後に解く」のだけは避けたほうが良いでしょう。

記述式問題は、60点(20点×3問)と配点が大きく、

もし最後に残してしまってタイムオーバーになると、大きな失点になります。

一部でも合っている箇所があれば部分点をもらえることがありますので、

「絶対に何か書く」(白紙で出さない)ために、最後に回すことは避けたいです。

2.「一般知識」の「文章理解」には確実に時間を取る

「一般知識」の「文章理解」(問題58-60)は、文章を読んで問題に答えるという、高校の現代文のようなイメージです。

しっかり時間を取って読めば、正解しやすい3問です。

 

行政書士試験では、「一般知識」で6問以上正解しないと足切りになってしまい、法令科目の採点すらしてもらえませんので、

「文章理解」の3問にしっかり時間をかけて確実に正解することが、足切り回避のために重要になります。

 

また、「文章理解」は、試験問題の一番最後の3問ですが、記述式問題と同じように、前半に解くことをおすすめします。

もし最後に残り時間が少なくなったことで焦ってしまい、正解できるはずの問題が不正解になってしまったら、非常にもったいないですし、足切りの可能性も高まってしまうからです。

3.解く順番を複雑にしない

解く順番や時間配分について戦略を立てることは大切なのですが、順番の入れ替えは、複雑にしすぎないようにしましょう。

問題ページや解答欄を行ったり来たりするような複雑な入れ替え方をすると、マークミスにつながる可能性があるからです。

 

こちらは、私が伊藤塾の中間模試(自宅受験)を受けたときのマークシートです。

(私は受験勉強を始めたのが遅く、模試を受けようとしたときには中間模試はとっくに終わっていたので、取り寄せて自宅受験&自己採点しました。)

本試験の解答用紙も、解答欄はこれと同じです。

 

このように、行政書士試験のマークシート解答欄は、科目別にはなっていません。

番号順に並んでいるだけで、解答用紙だけを見ても科目ごとの境目がわからないので、たとえば、「民法→行政法→憲法…」のような複雑な順番で解くと、マークシートを塗り間違えるリスクが心配です。

私の失敗談

上記の3つのポイントはおさえたものの、私は、本番の時間配分で大失敗してしまいましたので、その原因を考えてみたいと思います。

1.「予定していた時間配分」と「本番での実際の時間配分」

私が予定していた時間配分と、実際、本番ではどうだったかを表にしました。

赤枠部分が、予定超過してしまった時間、青枠部分が時間短縮せざるをえなかった時間です。

2.なぜ、本番で失敗したか?

私の失敗の原因は大きく以下の2つだと思います。

  1.  迷う問題に見切りがつけられなかった
  2. 「本番と同じ試験時間」で解いたことがなかった

1つずつ見ていきます。

① 迷う問題に見切りをつけられなかった

実は、私が最初に取り組んだ問題44の記述式問題は、

本試験の後、各予備校や講師の先生方の間でも解答が分かれて、数日間議論が巻き起こったという珍しい問題でした。

私も、この問題44に「どっちだろう…」と迷いすぎた結果、大幅に時間をロスしてしまいました。

しかも、迷いに迷ったあげく、最初に書いた解答を書き直してしまい、結局、書き直していなければもっと高い得点が取れたという…(泣)

 

解く順番自体は私にはこの順番がベストだったと思うのですが、

本番の緊張と焦りで、最初にあたったこの問題にこだわりすぎて完全に時間配分が乱れ、冷汗が出るほどパニックになりました💦

重要科目の憲法や行政法は大急ぎで解く形になってしまい、民法を解いている間なんかはもう生きた心地がせず、見直しもほとんどできないほどギリギリで解き終わりました。

解き終えたのが終了合図1分前ぐらいだったので、氏名の記入とマークミスがないかをザっと1回見るぐらいしかできず、終了の合図が鳴ったときはもう、半分泣きそうでした。

記述式に割いた時間をもっと行政法や民法の択一に使っていれば…と心底反省しました。

② 「本試験と同じ時間」で解いたことがなかった

…「え?なんで??」と思いますよね(笑)

これはもう、言い訳になってしまうのですが…

正確には、自宅受験の模試を8回受けて、「本試験と同じ3時間で解く練習」はしました。

ですが、私は受験勉強期間(約3か月間)の間に、本試験と同じ3時間、途中で遮らずに“通して”解いたことがありませんでした。

というのも、「3時間」というまとまった時間が取れなかったからです。

育児と仕事をしながら、早朝とスキマ時間で学習していましたので、どうしても、2~3回ぐらいに分けて時間を計って模試を解く というやり方しかできませんでした。

当たり前なのですが、やはり、「3時間を2~3回に分けて解く」のと「3時間続けて解く」のとでは全然違います。

いくらスキマ時間で学習時間を確保しても、本番通りの時間で“通して”解く練習をしないというのは、やはり、かなりリスクがあるということを知りました。

本番で時間配分をミスしないためは?

1.わからない問題に何分で見切りをつけるか決めておく

「1つの問題にこだわりすぎないように気を付けよう」

「わからないときは飛ばして後で解くようにしよう」と頭では考えていても、

本番の試験で1つの問題に時間をかけすぎてしまい、時間配分が乱れるということはあります。

ほとんどわからないような問題であれば、捨てて次にいく決断をするまでに、それほど時間を要しないのですが、

厄介なのは、「もう少し頑張ればわかりそう」な問題や、「2択で迷ってしまう」問題です。

こういった問題に出くわした場合に、何分で見切りをつけて次へいくのか、具体的な数字を決めておくと良いと思います。

たとえば、「択一問題なら1分、記述式なら3分長めに考えてみて分からなければ、とりあえず何か書いて次へ進む」など、〇分という具体的な数字を絶対に守ると決めておくという方法です。

2.本番までに3時間 “通して“ 解く練習を

とはいえ、本番というのは独特の雰囲気と緊張感で、冷静な判断ができなくなったり、

自分で見切りのルールを決めていたとしても「あと少し、あと少し考えればわかりそう…」と粘ってしまったりするものです。

それを防ぐために必要なのが、やはり“通し”練習です。

 

本試験と同じ3時間、途中でさえぎらず、通して解く練習を何度かしておくことは必須だと思います。

“通し”練習をやらなかった私が言うのはおこがましいですが…失敗から学んだことなのでお伝えしたく、この記事を書かせていただきました。

まとめ

今回は、行政書士試験の「解く順番」についておさえておきたい3つのポイントと、

「時間配分」で失敗しないための対策について、

私の失敗体験を踏まえてまとめさせていただきました。

解く順番と時間配分で失敗しないために
  1. 記述式を後回しにしない
  2. 「文章理解」の「一般知識」には確実に時間をとる
  3. 解く順番を複雑にしない
  4. わからない問題に見切りをつける時間を決めておく
  5. 本番までに “通して” 解く練習をする

これから受験される方にとって少しでもお役に立てましたら幸いです。

 

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